先日、リプレイプロテクションを実装しないハードフォーク(敵対的ハードフォーク)を行うといっていたB2Xが突然中止の声明を発表し、ビットコイナーは一安心と思いきや、また問題が発生しています。
今何が起こっているかというと「ビットコインとビットコインキャッシュのハッシュパワーの逆転」が起こっています。
ビットコインを掘っていたマイナーがビットコインキャッシュに移っている
簡単にどういうことかというと、新たなビットコインを採掘するのにマイナーと呼ばれる採掘者達がたくさんのコンピューターを動かしてビットコインのマイニング(採掘)をしているのはご存知だと思いますが、このビットコインをマイニングしていたマイナー(採掘者)がビットコインのマイニング(採掘)を辞め、ビットコインキャッシュのマイニングに移ってしまっています。
これによりビットコインのハッシュパワーが下がり、逆にビットコインキャッシュのハッシュパワーが上がり、逆転現象が起こっています。
現状のハッシュパワーがどうなっているかというと、7日前まではビットコインとビットコインキャッシュのハッシュパワーは約8対2とビットコインが大きく上回っている状態だったのが、現状では5対5とビットコインとビットコインキャッシュのハッシュパワーが拮抗しています。
ハッシュレートが下がることによる問題が浮上
ビットコインのハッシュパワーが下がることにより、ビットコインにいくつかの問題が起こっています。
一つはブロック形成時間の遅延です。
ブロック形成時間の遅延
通常ビットコインは10分に一回ブロックが生成されるように設計されていますが、上記の画像で494048ブロックと494049ブロックに注目していただきたいのですが、494048ブロックのブロック生成時間が01:44分(日本時間で10時44分)、その次の494049ブロックのブロック生成時間が02:47分(日本時間で11時47分)と、次のブロックを生成するのに一時間以上かかっているブロックがあります。
その後は、順調に掘られているように見えますが、ハッシュレートは低いままですので、平均するとかなりの遅延が発生しています。
ビットコインはハッシュレートに合わせて採掘難易度が調整されるように設計されていますが、その採掘難易度の調整のタイミングが2016ブロック毎(約2週間毎)となっているため、現在採掘難易度が高いままハッシュレートだけがビットコインキャッシュに移動して低くなってしまっており、採掘に長い時間がかかるようになってしまっています。
採掘時間の遅延の何が問題かというと、トランザクション(取引)がさばけないということが問題になります。
未承認トランザクションの増大
現在採掘時間の遅れから未確認の取引がどんどん増えてしまっています。
これは取引量は減らないが、取引をさばく方が遅くなってしまっているためで、未確認トランザクションがどんどん増えてしまっています。
こうなってくるとビットコインを送金してもなかなか着金しないなどの障害が発生してきます。
仮想通貨市場の反応
この状況を嫌気してビットコイン価格は下落、逆にビットコインキャッシュの価格は急上昇しています。
コインチェックさんの価格ボードですが、この記事を書いている間にビットコイン価格が62万円割れ、ビットコインキャッシュが30万円を超えてきました。
ビットコインキャッシュの価格の上昇率は前日比180%越えの暴騰です。
これを受けての仮想通貨市場の時価総額ランキングですが、
時価総額はイーサリアムを抜いて再びビットコインキャッシュが2位
仮想通貨市場の本日2017年11月12日の時価総額ランキングですが、再度ビットコインキャッシュの時価総額がイーサリアムの時価総額を追い越し2位に浮上しています。
時価総額上位の顔ぶれはそこまで変わりませんが順位はめまぐるしく動いています。
次々と新たな問題にぶち当たるビットコイン
ビットコインは、政治的な争いや主導権争いなど、本当に次から次に色々な問題が浮上します。
現状マイナーの影響力はとても大きく、この採掘難易度を上げてマイナーが掘らなくなるという問題は早急に対応が必要な問題です。
ただ今回の問題は、政治的な問題ではなく技術的な問題で、こういう問題を一つ一つ解決していくことでビットコインはより強く進化していきます。
難易度調整については、2016ブロック毎での調整では長すぎるでしょうから、もう少し短い期間での難易度調整が必要でしょう。
今後の改善に期待です。