ビットコインキャッシュに投資しない理由

こんにちは、@ハルルです。

現在ビットコインの送金詰まりや未確認取引の増加を背景にビットコインキャッシュ(BCH)がビットコインより優れているようなムードが漂っていますが自分の意見は全く違います。

 

今回は自分がビットコインキャッシュに投資しない理由について書いていきたいと思います。

ちなみに個人的な意見ですので、投資は自己責任で行ってください。

 

まずこの話の前提ですが、ビットコインはそもそも決済上の意味(社会上という意味ではない)で誰も信用しなくても取引が可能となるように設計された決済システムです。

そして、これに必要なのは「分散化」及び「非中央集権」です。

この「分散化」と「非中央集権」というキーワードを元に読んで頂けると理解が早いと思います。

 

ビットコインキャッシュに投資しない理由

ビットコインキャッシュ(BCH)に投資しない主な理由には下記のようなものがあります。

 

  • ビックブロックには限界がある
  • ビットコインキャッシュはマイナーのマイナーによるマイナーのためのコイン
  • ビックブロックでは結果的に中央集権になる
  • 中央集権になると様々な危険がある

 

それでは一つずつ詳しく見ていきたいと思います。

ビックブロックには限界がある

現在ビットコインキャッシュのようにビックブロックにすれば何もかもが上手くいくような雰囲気がありますが、それは間違いです。

結局ブロックサイズを大きくしても根本的な問題は解決せず、新たな問題を生みます。

それを分かっていたので、コア開発者はオンチェーンのブロックの拡大に頼らず、オフチェーンでの取引に可能性を見出したのです。

オンチェーンとオフチェーンの説明はこちらの「仮想通貨初心者のための用語集」をご覧ください。

データを大きくしても取引量に限りがある。

ブロック毎の取引量
これは過去半年のビットコインの1つのブロックの中に入っている取引量です。

SegWit導入により少しずつ増えていますが、処理可能な取引量は2000件程です。

これがビットコインの現状のオンチェーン上のみでの取引量の限界です。(SegWitを使った取引があまり伸びていないのも原因)

ビットコインは1MBのブロックを採用していますが、1MBでは2000件が上限ということです。

これをビックブロックで増やしていきます。

1MB=2000件(SegWit無しのオンチェーンでの取引上限)

2MB=4000件

4MB=8000件

8MB=16000件(ビットコインキャッシュの現在のブロックサイズ)

16MB=32000件

32MB=64000件

64MB=128000件

128MB=256000件

単純に倍々にしていくと、どうでしょうか。

ビックブロックでは128MBとビットコインの128倍のブロックサイズにしても10分間に256000件しか捌けません。

1分では25600件です。

1秒では426件です。

ビットコインキャッシュではブロックサイズの拡大のみで問題を解決しようとしていますが、これで本当に日常で使うとなった時に対応できるのでしょうか、疑問です。

ちなみにVISAの取引は1秒間に8000件以上と言われています。

データが大きくなれば、それを保存するハードもより大きなものが必要となる。

ビットコインのブロックチェーンサイズ

これは過去一年のビットコインのブロックチェーンのサイズですが、約10分毎に約1MBずつブロックチェーンのサイズは大きくなります。

ブロックチェーンは改ざんできない永遠に刻まれ残るものという前提なので、ビックブロックになれば一つのブロックのデータサイズがどんどん大きくなりますので、それを保存するのも大変です。

これはイーサリアムの話ですが、イーサリアムネットワークでは立ち上げからわずか2年、本格稼働からわずか半年しか経っていないにも関わらず、ブロックチェーンの履歴データが200GBを超えたということで、こういう問題はこれからどうなっていくのだろう。

少し脱線しましたが、結局ここでも分かるように単純にブロックサイズを上げていけば良いという問題ではなく、何かを得れば何かを失う関係にあります。

 

ビットコインキャッシュはマイナーのマイナーによるマイナーのためのコイン

なぜ中国のマイナーはSegWitを支持しなかったのでしょう。

ちなみにビットコインキャッシュ(BCH)はSegWitを実装していません。

それはASICBoostの問題もありましたが、もう一つの押さえておきたいのはマイナーはオンチェーン上の取引でしか報酬を貰えないという点です。

ASICBoostに関してはこちらの「SegWit反対の理由は、利益を独占したいマイナーのASICBoostとの互換性」記事を参考にして下さい。

SegWitが導入された後に控えているのは、オフチェーン上での取引になるライトニングネットワークです。

しかしライトニングネットワークでオフチェーン上の取引がいくら増えていってもマイナーは一向に儲かりません。

ユーザーにはSegWit及びライトニングネットワークは便利でも、マイナーには手数料報酬が増えない嫌なものになる訳です。

結局マイナーは自分達の儲けのみで動いているので、なんでコア開発者達は自分たちが儲からないようなシステムにするんだ、それなら自分たちが儲かるコインを作ってやるとなって作ったのがビットコインキャッシュです。

なので、ビットコインキャッシュは別にユーザーの利便性など本来考えていないのではと私は思います。(個人的な意見です。)

ビットコインキャッシュは中央集権コインで、一部の中国のマイナーのために存在するコインなのです。

 

ビックブロックでは結果的に中央集権になる

ビックブロックになっていくと結局一部の大手マイナーが有利になります。

これはデータ量が大きくなることで伝わる速度が落ちるからです。

分かりやすく表現すると小さいデータのダウンロードは一瞬ですが、大きなデータになると何分も掛かってきます。

これによりマイニングで正解を手にしたマイナーは次のブロックを掘り始めているのに、正解を引けていないマイナーは正解を引いたという情報のデータの伝達が遅いためその事実を受け取ることができず、未だ他のマイナーが正解を引いたことを知らずに一つ前のブロックの正解を探すことになり、どんどんと遅れていきます。

これにより、大きなマイナーはより大きくなり、小さなマイナーはどんどんと脱落していきます。

この問題はかなり深刻で、一度マイナーが中央集権化してしまうとそれを崩すのはほぼ不可能となるでしょう。

またフルノードの問題もあります。

フルノードはビットコインの取引の全データの履歴を持ち取引を検証していますが、ビックブロックになれば当然データ量が大きくなりますから、それに従いフルノードを支えるハードの容量も増やさなければなりません。

これもマイナーは確かフルノードなんて必要ないような発言をしていたはず、自分たちがそれもやるから必要ないてきな。

そうなるとビットコインの全取引のデータの保管及び取引の検証もマイナーの中央集権になってしまいます。

追記仮想通貨業界で有名な大石氏がビットコインキャッシュにの問題についてのTwitterで発言しています。

 

中央集権になると様々な危険がある

そしてビックブロックによるマイナーの中央集権が進むと様々な問題が出てきます。

  • 51%攻撃が可能になる
    これにより、2重払いの恐れや特定のトランザクションを承認しないということもできる
  • マイニングもフルノードも分散していないので、一つのサーバーでのデータ管理と変わらない。
  • 規制されやすくなる
    中央集権は当然規制し易いです。
    どこを抑えれば良いかが明白ですから。

 

このように一部のマイナーが大きな力をもってしまうと、ビットコインは元々、誰も信用せずに取引が可能となる決済システムだったはずですが、一部のマイナーを信用しなければならない決済システムとなり、その根底が覆されてしまいます。

今の銀行を信用しなければならないシステムが、一部のマイナーを信用しなければならない決済システムに変わったところで何の意味があるのでしょうか。

結局同じ中央集権型の決済システムなら、今ある決済システムやクレジットカードを使えば良いということになり本末転倒です。

決済という面だけ見るのであれば、クレジットカードなら使う方は手数料もかからないし、「分散化」と「非中央集権」でないのであれば、こちらの方が明らかに便利です。

 

まとめ

ビットコインキャッシュ=ビックブロック派が目指しているのは、一部のマイナーに権力と富が集中する中央集権的なコインです。

そしてビックブロックを進めれば構造上必然的に一部のマイナーによる中央集権的なものになっていきます。

ブロックチェーンという技術は「分散化」と「非中央集権」でも決済システムが成り立つということが画期的であるのに、ビットコインキャッシュのように一部に権力と富が集中するのであれば、そもそもブロックチェーンを使う意味がなくなってしまいます。

この辺をどう考えるかですが、自分は現在の銀行を中心とした決済システムが中国の一部のマイナーを中心とした決済システムに取って代わるようなものを応援する気にはなれません。

 

ビットコインも確かに問題を抱えています。

現状がビットコインの完成の状態であるのならば、ビットコインのマイニングの現状は、確かに分散と言うにはほど遠い状態かもしれません。

しかしビットコインはまだまだ黎明期で、今回のスケーラビリティ問題の解決についてもビットコインコアの対応は間違っていないと自分は考えています。

 

なぜずっとビットコインの開発を続けてきたコア開発者が、安易にビックブロックという解決手段を取らなかったか、そこにはビットコインのことを誰よりも知り誰よりも考えているコア開発者達だからこその理由が存在するのです。

ブロックサイズの拡大ですべてが解決されるならば、そうしていたはずです。

そして忘れてはいけないのは、ビットコインで可能なこともあれば、不可能なこともあるということです。

ビットコインはビットコインの役割を果たせば良いと思います。

これからライトコイングネットワークやアトミックスワップで、ビットコインの取引量の上限問題はある程度改善されるかもしれませんが、それでもビットコインは基本「価値の保存媒体」だと言うのが自分の結論です。

ビットコインはデジタルゴールドなので、現実世界でもゴールドでコーヒーを買う人などいません。

なので、日常的な支払いで使われるのは、やはりライトコインになるのではないかというのが私の考えです。

それを見据えて私はライトコインにも投資しています。

【追記】今後の仮想通貨投資戦略と私が実践しているFX投資術の紹介

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宜しければ、是非こちらもご覧ください。

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以上、最後までお読み下さりありがとうございました。