株式市場の方が健全な市場とは言えないのでは?

コインテレグラフで「世界第二位の富豪 投資家ウォーレン・バフェット「仮想通貨悪い結末迎える、長期プットオプション喜んで買う」との記事が1月11日に掲載されていたので、紹介します。

世界第二位の富豪 投資家ウォーレン・バフェット「仮想通貨悪い結末迎える、長期プットオプション喜んで買う

世界第二位の富豪で伝説的な投資家であるウォーレン・バフェット氏が10日、米CNBCの経済番組の中で、仮想通貨がいつか悪い結末を迎えるとのべた。

「仮想通貨についていえるのは、いつか悪い結末を迎えるということだ。それがいつどう起こるか等それ以外については分からない。」

バフェット氏はインタビューの最後でも再度「悪い結末が来る」とし強く主張している。

続いてビットコインに「売り」で入るつもりはあるかと聞かれると「よく知っているものに投資してもヘマする場合あるのに、全く何も知らないものをロングやショートする必要は全くない。」

「全ての仮想通貨に連動した5年後に満期がくるプット(売り)オプションのような長期プットオプションがあるなら喜んで買いたい。だが空売りは一円もしない」とした。

根拠無き否定発言に対しては心配する必要はない

このウォーレンバフェット氏の発言ですが、オマハの賢人といわれる著名な投資家のウォーレンバフェット氏が仮想通貨市場に否定的な発言をしたとして心配された方もいらっしゃると思いますが、自分は全然心配してないです。

その理由は、今回のウォーレンバフェット氏の発言にも書かれていますが、自身が仮想通貨に対して「全く何も知らない」ことを明言しているからです。

今回のウォーレンバフェット氏の発言は、全く知らないものを調べもせずに否定しているだけのことです。

もしウォーレンバフェット氏がビットコインや仮想通貨のことを調べて調べて知り尽くした上で、根拠を示して否定し、その根拠が妥当であるのなら重く受け止める必要があると考えますが、全く調べもせず、理解もしないで、根拠も示さずに否定しているということで心配は無用と考えています。

そもそもウォーレンバフェット氏の投資スタンスは、自身が理解できるものにしか投資しないというスタンスで、「理解できないもの、良く分からないものには投資しない」というスタンスを取ってきた人物です。

この投資スタンス自体は正しいと考えていて、その理由は投資は自分が理解できる分野、そして知識を持っている得意分野に絞った方がリスクを最小限に抑えつつ投資することができると考えているからです。

IT企業へ投資してこなかったことを後悔している

ウォーレンバフェット氏の投資法が実績を挙げているからといって、賢人が間違いや後悔をしないかというとそんなことはなく、以前は理解できないということでIT企業に否定的だったウォーレンバフェット氏ですが、最近では、グーグルやアマゾンに投資をしていなかったことを悔やむような発言をしております。

詳細はこちらバフェット氏「失敗した」 アマゾン投資機会逃し後悔(日経新聞)

ですので、この先仮想通貨市場への見方も変える可能性はあります。

まあこれは傾向的にですが、仮想通貨に関しては、知識を持っていない人ほど仮想通貨に対して否定的な意見を持つ人が多いような感じがします。

これに関しては、仮想通貨市場が株式市場より胡散臭いものが多いということ、及びPoS(Proof of Stake)のような無から有のコインが多数存在し、そこには価値の根拠がないということで、企業業績を元に投資をしてきたような株式投資家からは価値の根拠が理解できないといったことになるのでしょう。

まあこれは仕方がないことで、個々の仮想通貨の仕組みを知らない人から見れば、価値の保存機能が備わっているPoWもそれがないPoSも同じに見えるはずで、無から有=価値がないという判断になるのでしょう。

この辺のPoWとPoSの価値の根拠に関しては、以前の記事「PoW側の主張とPoS側の主張、あなたはどっち派」をご覧ください。

株式市場の方が市場機能が働いていない不健全な市場

ウォーレンバフェット氏は仮想通貨市場に否定的な意見ですが、自分はウォーレンバフェット氏が投資する株式市場の方に否定的です。

理由は現在の株式市場が市場機能の働いていない官製相場になってしまっていることで、調整という調整をせずに右肩上がりに上昇しているためです。

これにより株式市場はかなり歪んだ市場になっていると考えているからです。

下記はNYダウ10年チャートです。

NYダウ10年チャート

政府中央銀行の市場への過剰な介入が大きな歪みの原因

この歪みを作ったのは政府や中央銀行で、この中央銀行が作った量的緩和バブルの崩壊を恐れ、バブル崩壊が起きないように株式市場が連日高値を更新し続ける状態となっているにもかかわらず低金利を継続している状況です。

このように市場に政府や中央銀行が過剰に関与してしまうと、健全な市場機能が損なわれてしまいます。

結局、バブルが大きく成り過ぎたため、バブルの崩壊を恐れバブルを助長するようになり、最後は行くとこまでいくということになってしまい、このバブル崩壊のきっかけも政府や中央銀行がどこで手を引くかという状態になってしまっております。

金融市場は金融政策にしか反応しなくなってきている

もう既に株式市場や債券市場等、金融市場が気にしているのは実体経済ではなく、中央銀行の金融政策になってしまっており、良い経済指標が出ると市場は金融引き締めに怯えるようになり、逆に悪い経済指標が出れば、金融緩和や低金利の継続を予想し好感するような状況です。

そのため、株式市場本来の役割である景気の動向や実体経済を反映する物差しとしての機能を持たなくなってしまっています。

そういう意味で現在の株式市場と比べれば、市場機能がちゃんと働いて暴騰もしているが暴落も繰り返している仮想通貨市場は株式市場よりよっぽどまともな市場であると感じています。

自分の得意なフィールドで投資する

ウォーレンバフェット氏は、最近のメディアのインタビューで、「現在の金利水準を勘案すれば株価は概ね適正な範囲内であり、法人税減税による恩恵が織り込まれてない」と発言しており米国株にまだまだ強気なようですが、自分は明らかにバブルであり大きな調整が必要であると考えています。

この辺は株式市場に詳しくない自分の方がきっと株式市場に対する見立ては間違っていると思いますが、それはバフェット氏も同じことで、仮想通貨市場に詳しくないバフェット氏の仮想通貨市場に対する見立ては間違っていると思います。

ということで、それぞれが自分の理解している得意なフィールドで投資することが、投資を成功させる上で必要なことなんだと思います。

大切なのは自分で調べ、正しい理解を深めること

そして大切なのは、相手が著名人であっても良く知らないで発言していることに対しては、鵜呑みにせずに自分でとことん調べて納得して投資するということです。

それにより、根拠を示さない意見にはブレることがなくなりますし、短期的な値動きで動揺することも少なくなるはずです。

自分はいくらでも刷ることのできる円より総発行枚数が決まっているビットコインを信頼していますし、民衆側から生まれたお金であるビットコインが好きなので、ビットコインを応援します。

皆さんも他人の意見に惑わされず、自分の調べた知識で自分の信じる仮想通貨を応援していきましょう。

ちなみにこの記事を書いている中、仮想通貨市場がまたも暴落しています。

こちらはCoincheckさんの仮想通貨市場のレート(2018.1.16)。

コインチェック2018.1.16仮想通貨市場レート

去年のクリスマスくらいにも結構大きめの暴落がありましたが、一ヶ月もしないでまた暴落しています。

このボラティリティを見てビットコインは通貨として使えないという人もいますが、まあまだ投機の時期なので、市場機能という意味ではまともに働いているのではないかと。

以上、最後までお読み下さりありがとうございました。