新たな通貨制度が必要となるはず、その時ビットコインはどうなる

前回記事「予想通り株式市場は暴落」からの続きです。

こっから仮想通貨市場、主にビットコインがどうなるかについて自分の考えを話したいと思います。

ちなみに自分の予想及び妄想がだいぶ入っておりますが、自分の中では勝算があるつもりでいます。

あくまで個人的な予想と妄想なので、話半分でお読みください。

現在の世界経済及び金融市場は延命されただけのもの

まずは前提ですが、金融関係に関わっている人ならば当然分かりきったことですが、現在の世界経済及び金融市場の状況は、中央銀行による大規模な量的緩和政策=延命政策によって延命されているだけのものであり、この量的緩和政策は資本主義の中で暴走する金融市場の問題について、何一つ根本的な解決をもたらすものではありません。

そしてこの量的緩和政策=延命政策の維持継続には限界があり、いずれは量的緩和政策が作り出す巨大なバブルの崩壊が起こることも異論のないところだと思います。

 

この中央銀行が作り出した巨大なバブル崩壊後の世界、及び通貨制度がどうなりそうかですが、こっからが自分の予想と妄想です。

次の金融危機では中央銀行の信用問題に発展するだろう

今回の米国株式市場や日本株式市場の暴落が大きな金融危機に繋がるのかどうかは現時点ではわかりませんが、自分の予想では次の金融危機では中央銀行の信用問題に発展するだろうと考えています。

理由は現在のリーマンショックを超えるバブルは各国中央銀行の大規模な量的緩和により起こっており、これが崩壊した場合に支えられるところが存在しないからです。

中央銀行のバランスシートチャート

日米欧中銀のドル建てバランスシート、4月に並ぶも今後は乖離へ|Bloombergより

上記の図はBloombergの記事にあったリーマンショック後の各国中央銀行のバランスシートの資産残高の推移です。

リーマンショック以降、中央銀行がバランスシートを拡大することによって経済を何とか支えてきました。

なぜ中央銀行が買うかというと他に買い手が存在しないからです。

各国中央銀行の資産の内容は違いますが、どの中央銀行も買う人がいない、買われない資産、市場では捌けないような資産価値としてはどうなの?というような資産を大量に抱えています。

中央銀行がこの状態で、次の金融危機が起こった場合に既に市場では捌けないような資産を大量に抱えている中央銀行が、再度バランスシートを拡大し資産価値が暴落したゴミのような資産でバランスシートをいっぱいにするということになれば、中央銀行への信用失墜を招くだろうと予想されます。

中央銀行の信用問題は法定通貨の信用危機にまで発展するだろう

中央銀行の信用失墜となれば、中央銀行が発行する法定通貨の信用危機にまで発展するのは想像に難くありません。

日本ではハイパーインフレ等起こらないと言われていますが、歴史的にみれば多くの国で預金封鎖やハイパーインフレが起こっており、実際に日本は昭和21年2月17日に預金封鎖と新円切替を行った歴史がありますし、先進国であるフランス、ドイツ、アメリカでさえも過去にハイパーインフレが起きています。

もちろんまだハイパーインフレは起こっておりませんが、スーパーの商品が小さくなりつつ、値段も少しずつ上昇している現状はステルスインフレとインフレが同時に進行している状態で、これは明らかに量的緩和による円の信用の下落が原因だと思います。

備えあれば憂いなしということで、リーマンショック以降私は日本円以外の資産を探し、どの国にも属さないどの国が破綻してもそれをきっかけとして破綻しないビットコインに投資しようと決めたのはこのためです。

法定通貨と比べればビットコインは希望が残るババ

ということで、自分は現在の中央銀行が発行する法定通貨が次の金融危機の到来でいずれ激しく減価するだろうと考えているので、ビットコインが暴落してもあまり気にしないでいられます。

自分の中では、法定通貨という近い将来ババが確定している資産で持っているよりかは、ビットコインという次世代の決済手段に成り得る可能性があるデジタルゴールド、希望が残るババで持っている方が安心です。

これが2016年3月に自分がビットコインに投資することを決めた理由で「私がビットコインに投資する理由」の記事で記載した「どちらもババかもしれないが希望が残るババに投資する」ということに繋がります。

日本人は自国通貨である円への信頼が強いですが、もし日本が大丈夫であっても資本主義の世界を見渡せば米国を中心に借金まみれの国が多いですし、それらは大きすぎて救済不能ですので、どれかが倒れればドミノ倒しのような状態になると予想しています。

まあ実際どうなるかは分かりませんが、後で後悔しても仕方がないですので、自分は希望が残るババに賭けることにしています。

現在の量的緩和政策は新しい通貨体制ができるまでの時間稼ぎ

リーマンショック以降、各国中央銀行により行われた量的緩和政策は明らかに時間稼ぎの政策であり、次の新しい世界秩序、経済秩序、通貨体制ができるまでの繋ぎだと私は考えています。

この先どんな仕組みになりそうかというと自分は下記のような形になるのではないかと予想しています。

予想される新しい秩序の形

次の金融危機をきっかけに誕生するであろう新しい秩序の形として自分が考えているのが、

  • 国が発行するデジタル通貨
  • 銀行が発行するデジタルコイン
  • 非中央集権のビットコイン

に分かれると考えています。

この際、国は再度国の信用のみで通貨を発行させたいと考えているでしょうが、国の信用のみで通貨を発行しても誰も使いたがらないであろうことは明白なので、国が発行するデジタル通貨では、多くの人を取り込むため、以前の金を裏付けとする金本位制度のような方法が取られるであろうと予想します。

この辺は世界の中央銀行が通貨の信用低下を防ぐため、金の保有量を高めていることからも恐らくそうなるだろうと予想されます。

ただ金の裏付けを付けるとすると、保有している金の量で発行できる通貨の量も制約されてしまうため、色々と矛盾を生むのではないかと思われますがこの辺はどうするのかは不明です。

新しい秩序でビットコインが使われる可能性

国は国が発行するデジタル通貨を使わせたいと考えるだろうが、中央銀行制度の失敗や今まで行われてきた量的緩和政策やインフレ政策等の国民の資産を減価する政策等を考えると、ビットコイン等の第三者に勝手に資産を希釈されないようなもの使いたいと考える人も一定数出てくるはずです。

またインターネット上に世界共通通貨のデジタルゴールドを作ってしまえば、何かと便利であろうからこの辺は国もこの先外貨準備としてビットコインを使うのではないかなんて希望を勝手に抱いています。

そんな中、米国のアリゾナ州でビットコインで納税が可能になる法案が提案されています。

【追記】米アリゾナ州でビットコインでの納税が可能に?

米アリゾナ州で暗号通貨革命をもたらす法案があげられた。1つはビットコイン及び他の暗号通貨をコモディティーではなく通貨と認識すること。もう1つはアリゾナ州の納税者がビットコインで税金を払うことを可能にすることだ。

World Economic Forumは2023年までに政府がブロックチェーンを利用し税金を徴収し始めると見積もっている。アリゾナ州がこの法案を認めた場合世界初の事例となるだろう。

米アリゾナ州でビットコインでの納税が可能になる?|Crypto Currency Magazineより抜粋

米国の州政府がビットコインでの納税を認めるかもしれないということで、これに関してはかなり希望が出てくるニュースです。

この法案が今後どうなるか注目です。

現在のビットコインの暴落は必要な暴落

これは2018年2月7日の仮想通貨市場の価格ですが、それにしてもすごい暴落ですね。

仮想通貨市場2018.2.7

この現在起こっている仮想通貨、主にビットコイン価格の暴落は必要な暴落だと考えています。

  • バブルの調整
  • マイニングの拡大の遅れとビットコイン価格の乖離
  • 暴落により多くの人が手にする機会が生まれる

マイニングの拡大の遅れとビットコイン価格の乖離

バブルの調整は良いとして、このマイニングの拡大の遅れは、以前大石氏が年始の「2018年のビットコイン価格・仮想通貨業界の予測」で指摘していたことです。

懸念としては、マイニングの拡大の遅れです。ご存知のようにビットコインを下支えしているのはマイニングで、それにかかる費用というのがひとつのファンダメンタルとして価格の下支えをしていると思います。

急激な価格先行により、マイニングの拡大がおいついておらず、とくにボトルネックとなるASICの供給において、問題がのこります。今年はASICメーカーの新規参入により、これが解決されることを願いたいですが、そうでないと、マイニングの規模が追いつかず、価格とのギャップが広がる可能性があります。

その場合、マイニング原価付近まで売り叩かれたり、そうでなければ、マイナーが莫大な利益を得ることになり、どちらも不健全です。

2018年のビットコイン価格・仮想通貨業界の予測|ビットコイン研究所ブログ

ビットコイン価格にマイニングの拡大が追い付かず、マイニングによるマイナー報酬が高すぎるという懸念ですね。

この辺のことを考慮すると、今回の暴落はやはりビットコインには必要な暴落だったと思います。

現在のマイニングにかかる費用を電気代からおよそ算出した場合、中国では3172ドル(円=109円で約34万円)、ロシアでは4675ドル(円=109円で約51万円)となっております。

ちなみに日本は8723ドル(円=109円で約95万円)となっております。

ビットコインDifficultyチャート

ビットコイン難易度チャート

このマイニングの拡大とビットコイン価格のギャップですが、ビットコインのマイニングのDifficultyが昨年の12月くらいから急速に上がっております。

ですので、今年はマイニングも十分に拡大しつつ、ビットコイン価格も上げて欲しいところです。

暴落により多くの人が手にする機会が生まれる

この今回の暴落により、ビットコインを購入したいと考えていた層にも買えるチャンスが回ってきました。

これはとても良いことで、多くの人達が買える機会、手にする機会があったという事実は機会の平等に繋がります。

そして機会の平等があったという事実は、人々がそれを受け入れる要素となります。

この辺はこちらの「NEMに投資しなかった理由追記あり」の中の公平な供給方法とビットコインの供給方法のところを読んで頂ければと思います。

危機の本格化とともにゴールドとビットコインが選ばれるはず

ビットコイン価格が12月の最高値240万円から先日の64万円まで暴落しましたが、ここからが重要です。

ここから、危機が本格化した際にビットコインが資産保全手段として選ばれるかどうかが、ビットコインの今後を占う上で重要です。

危機はまだ起こっていない

先日NYダウが一時1600ドル近く下げるという史上最大の下げ幅を記録しましたが、それでも株価は24000ドルと高い位置で推移しており、まだ危機には至っておりません。

過去5年間月次金価格推移

田中貴金属の金価格チャート

金価格チャート|田中貴金属工業株式会社より

ゴールドの価格を見てみてもゴールドの急騰は起こっておらず、まだ危機が起こっていないということが分かります。

資産の保全先としての地位を確立することが重要

自分は次の金融危機では中央銀行の信用失墜が起こり、そうなればペーパーマネー全体の信用失墜に繋がるだろうと考えているので、今回の危機が本格化した場合にはゴールドが暴騰するだろうと予想しております。

同時にその受け皿として、国家に依存しない世界共通通貨であるビットコインも選らばれるだろうと予想しておりますが、ゴールドと比べるとビットコインはまだ歴史的にも誕生して日が浅いですので、この辺がどうなるかはまだ分かりません。

ただキプロスやジンバブエなどの前例を考慮すると、通貨の信用問題となった場合、他に資産を逃がす選択肢が限られることから、インターネットを通じて簡単に取引できるビットコインは資産保全の有力な選択肢となりそうですが、それらは今回の暴落前のことですので、今回の暴落を受けても尚ビットコインが資産保存の資産として選ばれるかどうかが、今後のビットコインを占う上でのカギになると思います。

まとめ

戦後、ブレトンウッズ協定によりドル基軸体制が発足して70年以上が経過していますが、通貨制度は限界を迎える度に変化しながら進んでいます。

ゴールドマンサックスCEOの意味深な発言

ロイド・ブランクファイン最高経営責任者(CEO)の意味深な発言が話題になりましたが、

「まだビットコインについて考えている。 結論はない。支持もしないし拒否もしない。紙幣が金(ゴールド)に置き換わったときも、人々は懐疑的であったでしょう」

これは紙幣がゴールドと切り離されたニクソンショックのことだと思いますが、この時の衝撃は凄かったんだろうなと想像します。

 

今後の通貨制度がどうなるかは分かりませんが、どんどんと価値の裏付けを無くして行く方向に向かっていた通貨が限界を迎えた後は、また価値の裏付けがある方に向かうであろうと予想しています。

そんな中、金に裏付けられた現物に戻るかというとそうではなく、時代にあった通貨の形としてはデジタルとゴールドが融合したデジタルゴールドであるビットコインの価値が認められ、広がっていくと考えています。

まあ、この辺は未来のことなので、どうなるかは分かりませんが、自分の考えを信じて進んでいくだけです。

 

次のG20ではビットコインが議題に上がるみたいですが、資本主義には変革と成長が必要ですので、新しい技術を禁止してしまうのではなく、上手に活用していくことような建設的な意見が出てくることを願っています。

 

以上、最後までお読みくださりありがとうございました。